こんにちは、サンタです。
以前の記事では、私が罹った肺気胸の症状や治療などについてを書かせていただきました。
私は2度目の肺気胸で2週間ほど入院していましたが、無事に退院したその日の夜、ラムゼイハント症候群という病気を発症し、重度の左顔面麻痺となりました。について書いてみたいと思います。
今回の記事では、そのラムゼイハント症候群について書いてみたいと思います。
よろしくお願いします。
目次
ラムゼイハント症候群とは
別名、耳性帯状疱疹と呼ばれ、その名の通り、耳を中心に発症した帯状疱疹のことです。
テレビのCMでも時折見かけたりする帯状疱疹ですが、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが再活性化することで神経に沿ってブツブツが現れる病気です。
代表的な症状として、顔面神経麻痺・難聴・耳鳴り・目眩などの脳神経症状があります。
ウイルスが活性化する理由としては身体の疲れやストレスなど、免疫力の低下がきっかけと考えられているそうです。
肺気胸で2週間入院していた上に、手術後でもあったので疲れや免疫低下など、運悪く私は発症条件にバッチリ当てはまっていたみたいです。
私が感じていた前兆について
実は退院する1〜2日前から左の耳の奥に違和感があって、左の口腔内にびらんの様なものができて痛みがありました。
その時は特に深く気にすることはなく、強めの口内炎ぐらいに思っていました。
その時点でしっかりと医師に相談すれば良かったのですが、当時の私は肺の症状ばかり気にしており、その内に良くなるだろうと、何もしませんでした。
結果として、重い病気に罹ることになりました。
身体に違和感を感じるのであれば、面倒がらずに医療機関に掛かってください。
それで何もなければ良いことですし、病気の早期発見はその後の治療に大きな影響をもたらすので損はないはずです。
出現した症状:激痛・ふらつきや吐き気・耳鳴り・顔面麻痺・・・
ようやく退院することでき、久しぶりに自分の布団でゆっくり寝ていると夜中、急に左耳の後ろに激痛が走りました。
しかし、夜中なのでどうしようもなかったため、とりあえずは痛み止めを飲んで朝まで我慢していました。
少し痛みが治まってきたなぁ、と思ったところで夜が明けました。
その後、とりあえずは顔を洗おうと起き、鏡の前に立つと愕然としました。
左の顔面全体がピクリとも動かないのです。
左側だけ完全に無表情でした。
当然まぶたを動かすことも出来ないので、瞬きすらできませんでした。
ようやく退院できたと思ったら、今度は左の顔面麻痺となり、本当にショックでした。
ただでさえ、普段からうつ病であることをごまかし、周囲に迷惑をかけないように無理をして頑張ってきた結果、重い病気に罹るという・・・
この時ばかりは、久しぶり生きていることに心から嫌になりました・・・。
というか、もう死にたいとさえ思っていました。
症状は顔面麻痺だけではありませんでした。
立っていると船に乗っているかのようにフラフラと感じ、気持ち悪くて長時間立っていられませんでした。
又、耳元に機械があるかのようにピーーーーッと耳鳴りもしていました。
日常生活を送る上で困ったこと
病院へ行き、様々な検査を受けた結果、ラムゼイハント症候群と診断されました。
現状ではできることは無いとのことで、とりあえずは薬を飲みながら様子観察となりました。
顔面麻痺となり、日常生活で困ったことはたくさんありました。
中でも一番困ったことは、瞬きができないことです。
自身が経験しないと想像できないかもしれませんが、どんな状況でも自分の力で左眼を閉じることができないのです。
例えばシャンプーや洗顔をしていても左眼は開きっぱなしです。
もちろん、寝ている間も左の瞼は閉じません。
どんな時でも常に眼球が無防備なのです。
太陽が眩しくても目を閉じられません。
又、人と話していて笑ったりしても左の顔面は無反応なので歪な表情となります。
そのため、人と対面で話をしたり、鏡で自分の顔を見たりすることが心底嫌になりました。
目以外にも、口も左側は全く動かせないので食事の場面ではご飯がポロポロ落ちるし、汁物はストローが無いとうまく飲めず、麺類もすすることが難しくなりました。
唯一の救いは新型コロナが流行していたので、常時マスクをしていてもおかしくない世の中になっていたため、口元を他人に見られる機会が激減したことです。
治療と手術(顔面神経減荷術)
顔面麻痺となり1週間ほどが経過しても全く状態が改善されなかったため、大きな病院で診てもらうことになりました。
その際、丁度、顔面麻痺の治療に関する日本でも有数の医師に見てもらえることになりました。
診てもらったその場で、「これはひどい」「同じようなケースで受診する人の中でも一番重症の部類だ」と、受診したその日その場で、すぐに手術することが決められました。
2週間ほど前に全身麻酔で肺の手術をしたばかりなのに、再び全身麻酔で手術をしなければいけなくなったのです。
しかも、医師の説明では
<手術しても絶対に後遺症が残る>
<最悪、今の状態のままか、元の機能の2割ほどしか回復しない>とも言われ、私は絶望し、人知れず泣くこともありました。
手術の内容は、頭蓋骨に穴を開けて、神経を圧迫している神経鞘という部分を切り開き、神経の圧を軽減するものです。
https://www.inagaki-ent-breast.com/facial-palsy-surgery/
手術内容を聞いた時、肺の手術の時の痛みや息苦しさなどがフラッシュバックし、手術を受けることが怖くなりました
しかし、手術を受けなければ顔面麻痺の改善の可能性はゼロだったので、受けるしかありませんでした。
手術自体は無事成功に終わりました。
心配していた術後の痛みですが、内臓の手術ではなかったので心配していたよりもはるかに痛みも少なく、身体につけられた管も一本のみだったので、気胸の手術に比べてかなり楽でした。
後遺症について
手術を受けても、やはり、事前に医師が言っていた通り麻痺の状態は良くはなりませんでした。
結局は、約2ヶ月ほどは瞬きができない生活が続いたのです。
しかし、ある時にふと瞬きができるようになり、全く無反応だった口も少しずつですが動くようになっていきました。
その時は、『このまま元通りになるのでは』と期待したのですが、結局は完全に回復することはなく、最終的に回復したのは元の機能の5割ほどでした。
当時は落ち込み、生きるのが嫌になっていましたが、しばらくすると諦めがつき、『瞬きができるだけまだマシだな』と思うようになりました。
麻痺以外の身体的な後遺症はありませんが、神経痛や耳鳴り、不定期に訪れる気分不快等の症状は続いています。
普段は諦めているので我慢するだけですが、気分が落ち込んでくると、やはり『こんな状態で生きていくのはもう嫌だな』と、正直早く死ぬことを考えてしまいます。
1番の後遺症はひょっとしたら、こういった精神的なものかもしれません。
以上が、私が経験したラムゼイハント症候群の治療や顔面麻痺などについての話になります。
ラムゼイハント症候群について知りたい方に少しでも役立てば嬉しいです。
ここまで読んで下さりありがとうございました。