こんにちは、サンタです。

 以前の記事で書かせていただいたのですが、私は2020年にラムゼイハント症候群という病気に罹り、左側に重度の顔面麻痺を呈しました。

 入院し、手術はしたものの、完全に回復することはなく、後遺症として5割以上の顔面の機能を失ってしまいました。

 今回の記事では、私の顔面麻痺の状態や現在までに辿った経過などについて書いてみたいと思います。

 よろしくお願いします🙇

お辞儀をする猫のイラスト

顔面麻痺とは?

顔面麻痺についての画像

 何度も顔面麻痺と書かせていただいているのですが、そもそも顔面麻痺とはどんな状態なのでしょうか?
 過去の記事の内容と重複する部分もありますが、もう一度、顔面麻痺について書いてみたいと思います。

 そもそも麻痺とは、脳の神経や筋肉のどこかに障害が起こってしまい、動かそうと思っても体の一部、もしくは全部が思った通りに動かない状態です。

 そのため、顔面麻痺になると、顔の筋肉(額にシワを寄せる・眉毛を上げる・瞼を動かす・口唇を動かすなど)が思い通りに動かなくなってしまいます。

 私の場合、顔面麻痺を呈した原因がラムゼイ・ハント症候群と言う病気でした。
 この病気は、顔面麻痺を呈する病気の中でも麻痺の程度が重度になりやすく、予後も悪いと言われている病気です。

最初はどんな状態だったか

顔面麻痺でできなかったこと:瞬き・口をゆすぐ・口を大きく開ける

 私は運悪く、麻痺の中でも最も重い、高度麻痺と言う状態でした。
 左側の顔面の筋肉全てが、本当に全くピクリとも動かなかったのです。

 鏡の前でどんなに力を込めて表情を作ろうとしても、動くのは顔の右半分だけで、左側は何の反応も示すことなく無表情のままでした。
 『麻痺とは何か』ということを、知識として知ってはいても、実際に自分が麻痺となり、鏡の前で目の当たりにした時のショックは何とも言い難いものでした。

 まず、見た目も機能的にも一番嫌だったことは、瞼が動かせないことです。
 常に眼球丸出しの状態であるため、どうしても眼が乾燥しますし、眼疲労による痛みもありました。

 又、入浴時には洗顔剤やシャンプーの泡などが目に入りますし、物体が顔の近くに飛んできたりしても目を閉じて保護することができず、眼球が傷つくリスクも高い状態でした。

 加えて、対面で他者と会話している時、気持ちを表情に出そうにも、左側の額や眉・眼が微動だにしないので、どうしても歪な表情となっていました。
 客観的に自分の表情を想像するとを恥ずかしくて嫌な気持ちになり、他者と関わることが億劫になっていきました。

 口に関しては、左側の口角を上げることができないので、食事をするときはいつも通りの量をすくって食べようとすると口の中に食物が入り切らず、こぼれてしまいました。
 そのため、箸の時は持つ量を少なくし、スプーンは介助用の小さいものに変えて食事をしていました。

 又、唇自体に力を込めることができないので、口腔内に液体を留めておくことができませんでした。
 そのため、汁物などの液体は気をつけて飲まないと、口から流れ出てしまうので注意が必要でした。

 食事以外の場面では、うがいの際、唇を閉じて口をゆすぐことができないので、手で唇を押さえることで口から水が出ないようにして、口の中をゆすがなければなりません。
 (この行為は現在でも必要です)

全ての治療が終わった、現在の状態

瞼を閉じているイラスト

 麻痺の状態が一向に良くならないため、大きな病院を受診したのですが、すでにかなりひどい状態だったらしく、すぐに手術することが決まりました。
 バタバタと検査や入院の手続き、準備等があり、その3日後には入院・手術を受けました。

 その際、医師に言われていたのは手術を受けても100%回復するわけでなく、どんなに頑張っても絶対に後遺症が残るということでした。
 この言葉は麻痺状態になった時と同様に、私にはかなりショックなことでした。

 うつ病を抱え、無理しながら生きていた私をより落ち込ませるには十分な出来事でした。

 手術を受けてもすぐには状態に変化は見られませんでした。
 医師から教わったマッサージをしたり、鍼灸に通ったりしながら麻痺の状態が改善することを期待しながらの日々を過ごしていました。

 そうして時間が経ち、変化が見られてきたのは1ヶ月以上が過ぎたあたりでした。
 朝起きて鏡の前に立ち、瞼を動かそうとしたら不自然ではありますが瞼を閉じることができたのです!
 この時はかなり嬉しかったことを覚えています。
 ようやく、自分の力で目を閉じることができたのです。

 これを機に少しずつスムーズに瞼を動かすことができるようになっていきました。
 今でも完全に自然に動かせるわけではありませんが、瞼が動かせなくて困る、ということはほとんどなくなりました。

 しかし、額と眉はほとんど動かないままであり、左の口角もあまり上がらないので、表情を作る時は未だに歪です。

 口は以前より少しは動くようになってはきましたが、口角は健常時と比べても1/4ほどしか上がりません。
 口の中の動きも弱くなっているので、食事の際は左の頬内に食べ物が挟まりやすく、口腔内に残渣がよく残ってしまいます

 その他、口の機能に関して、唇を閉じておく力が弱いので息を吹く力が弱いです。
 そのため、風船が膨らませなかったり、口笛も吹けなくなりました💧

 記念撮影など笑顔を求められると、歪な表情を晒さなければならないので、心底嫌になります。
 どんなに頑張って笑顔を作っても歪な笑顔であり、後から写真を見返したりすると、かなり気が滅入ります。

その他の後遺症について

顔面の痛みに苦しむ猿の画像

 その他、後遺症として、病的共同運動という症状があります。
 以前受けた気胸の手術の影響か、私は酸素欠乏症のような状態で、不意にあくびが止まらなくなることが多いです。
 ひどい時は1分間に10回以上出てしまいます。

 あくびをすると、病的共同運動の影響で、口が開いた際、口の動きに釣られて必ず左眼が閉じてしまいます。
 厄介なのが、このあくびはなかなかコントロールができず、一度出始めると2〜3分はあくびをし続けてしまいます。

 何もない時はいいのですが、運転中にあくびが止まらなくなると左眼がまともに開けられなくなり、遠近感がおかしくなるため、かなり怖いです。

 又、麻痺の影響で顔面の筋肉も硬くなっているので、あくびが続くと筋肉に負担がかかり、左顔面が攣り、激痛が走ります。
 この状態がなかなか辛いです😰

終わりに

 以上が私が経験してきた、顔面麻痺の状態の変化となります。
 実は、この病気を発症する前まで、うつ病も少し落ち着いていたのですが、病気をきっかけにまた不安定な状態になってしまいました。

 再び不眠が強くなり、絶望感などでしばらくは希死念慮が出現し、不安定な状態で生活していました。

 幸い、少しだけ回復したことにより希死念慮は薄れていきました。

 ここまで読んでくださりありがとうございました。

記事を読んでくれたことに対する感謝を表すイラスト